阪神淡路大震災 20 周年事業

加川広重 巨大絵画が繋ぐ東北と神戸 2015

宮本佳明「福島第一原発神社」(2012) 

日時:1月10日(土)〜18日(日)
会場:KIITOホール(1F)
 
 「福島第一原発神社」
「あいちトリエンナーレ2013での展示風景」photo:怡土鉄夫事故を起こした原子炉建屋にアイコンとなる和風屋根を載せ、原子炉を鎮め、神社ないしは廟(マウソレウム)として丁重に祀るというプロジェクトである。その目的は、今後1万年以上にわたって溶融燃料を含む高レベル放射性廃棄物を現状のまま水棺化して安全に保管することにある。なぜなら200トン近い溶融燃料をすべて回収することも、それにともない発生する大量の高レベル放射性廃棄物を場外搬出することも事実上不可能だからである。いつか廃炉を諦めた時、最も重要なことは「それ」が危険であるということを明示し続けることである。しかも、文化や言語さえも変わっているであろう1万年以上後の人類(それは日本人なのか?)に対してである。危険なものを危険であると知らしめること、それもまた建築の大切な役割である。原子炉を収める覆屋は「建屋」と呼ばれた。そもそも建築でさえなかった。ここではその役割を巨大な和風屋根に託している。
 

宮本佳明 加川広重 による作品解説 
日時:1月17日(土)16:00~
会場:KIITOホール(1F)
解説:宮本佳明、加川広重

宮本佳明
建築家、大阪市立大学大学院工学研究科兼都市研究プラザ教授。兵庫県生まれ、東京大学工学部建築学科卒業、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了。博士(工学)。1996年第6回ヴェネツィアビエンナーレ建築展(共同作品)金獅子賞。1998年「『ゼンカイ』ハウス」でJCDデザイン賞ジャン・ヌーベル賞、JIA新人賞。2007年「クローバーハウス」で日本建築家協会賞。2008年「『ハンカイ』ハウス」でJCDデザイン賞金賞。2012年「澄心寺庫裏」で日本建築学会作品選奨。主著に『環境ノイズを読み、風景をつくる。』(彰国社)、『Katsuhiro Miyamoto』(Libria)。